新しい住まいでの生活。
真っ白なキャンバスに絵を描くように、家具やインテリアを一つひとつ選び、理想の空間を創り上げていく時間は、家づくりの醍醐味です。
しかし、その空間の印象を大きく左右する「家電」の選択を、後回しにしてはいないでしょうか。
私は数多くの住宅設計に携わる中で、「家電は、空間を構成する重要な建築要素の一つである」と確信しています。
優れたデザインの家電は、単に機能的な道具であるだけでなく、空間にリズムと調和を生み、美しいインテリアとして成立します。
そして何より、私たちの日常の所作を豊かにし、暮らしの質そのものを向上させてくれる力を持っています。
この記事では、住宅設計のプロである私が、数ある製品の中から「これは」と唸った、デザイン性、機能性、そして空間への影響力という3つの基準で選び抜いた、珠玉のデザイン家電を10個ご紹介します。
設計士ならではの視点で深く掘り下げていきますので、これから新生活を始める方、今の暮らしをアップデートしたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。
あなたの家電選びの「ものさし」が、きっと変わるはずです。
【KITCHEN】毎日立つ場所を、心躍る空間に
キッチンは、一日の始まりと終わりを彩る場所。
だからこそ、デザイン性に優れたツールがもたらす心地よさは、計り知れません。
1. 所作をデザインする光と音|BALMUDA The Toaster
「感動のトースト」という体験価値で、家電の常識を覆した名品。
私が評価するのは、その味はもちろんのこと、空間における佇まいの美しさと、使う人の五感を刺激する演出です。
- 【設計士の視点①:デザインの解剖】
クラシックな様式を現代的に再解釈したフォルムは、流行に左右されない普遍性を持ちます。
マットな塗装の質感は、キッチンのタイルやステンレス、木のカウンターなど、どんな素材とも柔らかく調和します。
特筆すべきは、ダイヤルを回す際の心地よいクリック音や、焼き上がりを知らせる優しい音色。
これらは視覚だけでなく聴覚にも訴えかけ、「パンを焼く」という行為を一つの豊かな体験へと昇華させます。 - 【設計士の視点②:空間との対話】
このトースターは「見せる収納」が前提です。
無機質になりがちなキッチンカウンターに置くことで、温かみのあるフォーカルポイント(※1)が生まれます。
上部に余白が生まれる高さ設計なので、圧迫感を与えないのも計算されたポイントです。 - 【設計士の視点③:暮らしの変化】
忙しい朝の時間が、パンが焼ける音と香りに包まれる、待ち遠しい時間へと変わります。
この小さな変化こそが、暮らしの豊かさの本質と言えるでしょう。
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(※1)フォーカルポイント:空間の中で、人の視線が自然と集まる場所のこと。
2. “注ぐ”という行為の機能美|BALMUDA The Pot
ハンドドリップのコーヒーを淹れる一連の動作を、最も美しく見せてくれる電気ケトル。
その価値は、湯を沸かす速度ではなく、湯を注ぐ瞬間のコントロール性に集約されています。
- 【設計士の視点①:デザインの解剖】
この製品の核心は、湯量を意のままに操れる細口のノズルと、軽く持っても安定するハンドルの絶妙なバランスです。
これにより、使い手はストレスなくドリップに集中できます。
本体から電源ベースに流れるラインの美しさも秀逸で、どこから見ても破綻のないデザインです。 - 【設計士の視点②:空間との対話】
600mlという、コーヒー3杯分、カップ麺2杯分という絶妙なサイズ感は、ミニマルな空間思想を体現しています。
不必要に大きくないため、キッチンの作業スペースを圧迫しません。
The Toasterと並べて置いた時の調和は、計算され尽くした美しさです。 - 【設計士の視点③:暮らしの変化】
「美味しいコーヒーを淹れる」という目的のための、最高に気持ちの良い道具。
これを持つことで、インスタントではない、一杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れる豊かな時間が日常になります。
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【LIVING & DINING】家族が集う空間の質を高める
リビングは家の中心。
ここに置く家電は、空間の印象を決定づけるほどの力を持っています。
生活感を消し、上質な空気感を纏わせるものを選びましょう。
3. 「出しっぱなし」という新しい常識|±0 コードレスクリーナー
「掃除機は隠すもの」という固定観念を打ち破り、「置いておける」美しさを実現した、まさに革命的な製品です。
- 【設計士の視点①:デザインの解剖】
±0(プラスマイナスゼロ)が掲げる「ちょうどいい」という哲学が見事に体現されています。
あらゆる要素が削ぎ落とされたミニマルなフォルムは、主張しすぎず、それでいて凛とした存在感を放ちます。
特に、スタンドに立てた時の垂直なラインは、壁や家具と美しく調和します。 - 【設計士の視点②:空間との対話】
このクリーナーの真価は「出しっぱなしにできる」こと。
リビングの隅や廊下の壁際に置いても、インテリアの一部として成立します。
これにより、わざわざ収納から出し入れする手間が省け、掃除への心理的なハードルが劇的に下がります。 - 【設計士の視点③:暮らしの変化】
「汚れたら、すぐ掃除する」という美しい習慣が身につきます。
常に美しい空間を維持できることは、精神的な快適さにも繋がります。
美しいデザインが、行動を変え、暮らしを整える。
その見事な一例です。
4. 壁を、非日常への扉に変える|Anker Nebula Capsule 3 Laser
映画やライブ映像、家族の思い出。
それらを、家の壁さえあればどこでも大画面で楽しめる。
これはもはや家電ではなく、暮らしの可能性を拡張する「魔法の筒」です。
- 【設計士の視点①:デザインの解剖】
350ml缶ほどの円筒形ボディは、プロジェクター特有の無骨な機械感を一切感じさせません。
リビングのシェルフやサイドテーブルに無造作に置いても、空間に自然と溶け込むデザインです。 - 【設計士の視点②:空間との対話】
最大のメリットは、テレビのように特定の場所を占有しないこと。
日中はすっきりとした壁面を保ち、夜だけスクリーンとして使うことができます。
これにより、空間をより広く、自由に使えるようになります。
面倒な配線が不要なため、リビングだけでなく寝室や和室、時にはキャンプなど屋外に持ち出して使えるのも魅力です。 - 【設計士の視点③:暮らしの変化】
いつものリビングが、一夜限りの映画館に変わる。
天井に映し出して、寝転がりながら星空を見る。
そんな非日常的な体験が、日常のすぐそばに現れます。
家族で過ごす時間の質が、間違いなく向上する一台です。
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【PERSONAL SPACE & OTHERS】一人の時間と暮らしの細部を豊かに
書斎や寝室など、よりプライベートな空間にこそ、自分の感性に響くこだわりのアイテムを置きたいものです。
5. 空気をデザインし、空間を潤す|cado STEM 630i 加湿器
日本のブランド「cado」が世界に誇る、もはやアートピースの領域にある加湿器。
空間の質は「湿度」によっても大きく左右されることを教えてくれます。
- 【設計士の視点①:デザインの解剖】
継ぎ目のない一本の金属の筒から、パワフルなマイクロミストが天井高く噴き上がる様は、それ自体がインスタレーション(※2)のよう。
天面のアルミ削り出しの操作パネルなど、細部の質感へのこだわりが、製品全体のクラス感を高めています。 - 【設計士の視点②:空間との対話】
床に直接置くことを前提とした高さのあるデザインは、空間に垂直方向の伸びやかさを与えます。
モダンでミニマルなインテリア空間との相性は抜群で、リビングの主役にもなりうる存在感です。 - 【設計士の視点③:暮らしの変化】
適切な湿度を保つことで、心身ともに健やかなコンディションを維持できます。
また、美しいミストが空間を潤していく様子を眺める時間は、心を穏やかにしてくれます。
「空気を洗う」という発想から生まれたこの加湿器は、暮らしの環境を根本から見直すきっかけを与えてくれます。
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(※2)インスタレーション:場所や空間全体を作品として体験させる芸術表現。
6. 温かい音と木が寄り添う|Tivoli Audio Model One BT
デジタルが主流の今だからこそ、そのアナログな温もりが心に響く。
人の声が最も美しく聞こえると言われる、伝説的なラジオです。
- 【設計士の視点①:デザインの解剖】
一つひとつ丁寧に作られた木製キャビネットは、家具そのもの。
使い込むほどに風合いが増し、長く愛せるパートナーとなります。
大きなチューニングダイヤルをゆっくりと回す操作感は、利便性だけではない「使う喜び」を教えてくれます。 - 【設計士の視点②:空間との対話】
無垢材の床や家具、北欧インテリアとの相性は言うまでもありません。
書斎のデスクや寝室のサイドテーブルに置けば、空間全体に温かい空気感をもたらしてくれます。
Bluetoothスピーカー機能も搭載し、現代のライフスタイルにもしっかり寄り添います。 - 【設計士の視点③:暮らしの変化】
スマートフォンから流れるデジタル音源とは違う、柔らかく温かい音に包まれる時間は、最高の癒やしです。
偶発的に未知の音楽や情報に出会えるラジオの魅力も再発見できるでしょう。

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【その他、暮らしを彩る名品たち】
ここでは紹介しきれませんが、私の心を捉えたデザイン家電はまだまだあります。
- 7. De’Longhi アイコナ・キャピタルズ 電気ケトル:キッチンの差し色に。
空間を一気に華やかにするデザイン。
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まとめ:優れたデザインは、暮らしへの最高の投資
ここまで、設計士の視点で厳選した10のデザイン家電をご紹介してきました。
これらの製品に共通するのは、見た目が美しいだけでなく、私たちの行動や意識にポジティブな変化をもたらしてくれるという点です。
- 面倒だった家事を、楽しい時間に変える。
- 乱雑になりがちな空間を、整然と保つ手助けをする。
- 日常の中に、心安らぐ非日常の瞬間を創り出す。
優れたデザイン家電を選ぶことは、単なる消費ではありません。
それは、これから先何年も続く「心地よい暮らし」への、最高の投資と言えるのではないでしょうか。
私は、家という器だけでなく、こうした暮らしを構成する一つひとつの要素まで含めて、お客様にとっての「楽しい暮らし」をトータルでデザインしています。
家づくりやリノベーションで、モノ選びに迷われた際は、ぜひお気軽にご相談ください。
注:この記事はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。ゆう住宅設計室は、適格販売により収入を得ています。


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