
ドリブルが上手、スリーポイントシュートが入る、というだけで、ボール運びやゲームメイクを任されて、どうしたらよいか迷っている子を多く見かけます。
そんな「ガード」の子は必読ですよ。
「ガードに選ばれたけど、正直何をすればいいかよく分からない…」
「パスミスやドリブルミスが怖くて、思い切ったプレーができない…」
「チームを勝たせられるような、頼れるガードになりたい!」
バスケットボールに青春をかける、中学女子バスケ部の皆さん。
特にチームの舵取り役である「ガード」を任されているあなたは、大きな可能性と同時に、このような不安や責任を感じているかもしれません。
ガードは、試合の流れを読み、攻撃のリズムを作り、チームメイトを輝かせる、まさにコート上のヒーローになれるポジションです。
しかし、その役割は多岐にわたり、何をどう頑張ればいいのか分からなくなってしまう気持ちも、痛いほどよく分かります。
でも、もう大丈夫。
この記事は、そんなあなたのための「ガードの教科書」です。
すべてのポジションを任されてきた経験から、ガードの基本的な役割から、試合で活躍するための具体的なスキル、そしてライバルに差をつけるための自主練習メニューまで、どこよりも分かりやすく、丁寧に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは「ガードとして何をすべきか」が明確になり、「私にもできるかも!」という自信に満ち溢れているはずです。
さあ、一緒に、チームから信頼される最高のガードへの第一歩を踏み出しましょう!
第1章:あなたはどっちのタイプ?ガードの2つのポジションと役割
まず、ガードには大きく分けて2つの種類があることを知りましょう。
自分がどちらのタイプに近いか考えながら読んでみてください。
ポイントガード(PG)は、まるでオーケストラの指揮者のような存在です。
コート全体を見渡し、監督の指示や試合の流れに応じて、チームという音楽を最高の形で奏でる役割を担います。
シューティングガード(SG)は、ここぞという場面でシュートを決め、チームに勢いをもたらすエースストライカーです。
その得点力で、試合の流れをガラリと変える力を持っています。
第2章:試合で輝く!ガードが絶対に身につけたい7つのスキル
「役割は分かったけど、具体的にどんな技術が必要なの?」その疑問にお答えします。
ここでは、ガードに必要なスキルを7つに絞って、上達のコツと一緒に見ていきましょう。
スキル1:絶対に取られない!「ボールと友達になる」ハンドリング
ガードのすべてのプレーは、このドリブルから始まります。
ボールを自分の体の一部のように扱えるようになりましょう。
- なぜ必要?: 相手にボールを奪われずに、顔を上げて周りを見るため。
- 上達のコツ:
- 低い姿勢は基本の「き」: 膝をしっかり曲げて腰を落とすことで、相手からボールが遠くなり、奪われにくくなります。
- ボールを見ない練習: 最初は怖いかもしれませんが、テレビを見ながら、音楽を聴きながらでもOK!ボールを見ずにドリブルする癖をつけると、試合で周りがよく見えるようになります。
- 緩急(スピードの変化)を意識: ずっと同じ速さのドリブルでは相手に読まれてしまいます。
「ゆっくり…」から「一気に速く!」というスピードの変化で、相手を置き去りにしましょう。
- 低い姿勢は基本の「き」: 膝をしっかり曲げて腰を落とすことで、相手からボールが遠くなり、奪われにくくなります。
スキル2:味方が喜ぶ!「思いやり」のアシストパス
自己満足のパスではなく、味方が次にプレーしやすいパスを出せるのが一流のガードです。
- なぜ必要?: チームの得点チャンスを最大化するため。
- 上達のコツ:
- 相手の胸元を狙う: 味方が一番捕りやすいのは胸のあたりです。
そこを狙って、両手で力強く押し出す「チェストパス」を基本にしましょう。 - パスフェイクを覚えよう: パスを出すと見せかけて、出さない。
この一つの動きを入れるだけで、相手ディフェンスを騙して、パスコースを空けることができます。 - 指先の感覚を磨く: パスを放つ最後の瞬間、指先でボールに綺麗な回転(バックスピン)をかけると、パスが伸びて味方がキャッチしやすくなります。
- 相手の胸元を狙う: 味方が一番捕りやすいのは胸のあたりです。
スキル3:勝負を決める!「自信を持って打つ」シュート
ガードも点を取ることで、相手にとって怖い存在になれます。
- なぜ必要?: 相手に「パスだけ」と思わせず、攻撃の選択肢を増やすため。
- 上達のコツ:
- キレイなフォームが一番の近道: シュートフォームを、鏡の前で毎日確認するだけでも効果があります。
- レイアップは「置くだけ」: ドライブからのレイアップシュートは、ゴールにボールを「投げつける」のではなく、リングの近くのボードに「そっと置いてくる」イメージを持つと、力が抜けて成功率が上がります。
- 下半身の力を伝えよう: シュートが届かない原因の多くは腕力不足ではなく、下半身の力が使えていないことです。
膝をしっかり曲げ、ジャンプの力をボールに伝えることを意識しましょう。
- キレイなフォームが一番の近道: シュートフォームを、鏡の前で毎日確認するだけでも効果があります。
スキル4:相手のエースを封じる!「カニさん歩き」のフットワーク
派手さはありませんが、相手の攻撃を止めるディフェンスは、シュートを決めるのと同じくらい価値のあるプレーです。
- なぜ必要?: チームの失点を減らし、速攻のきっかけを作るため。
- 上達のコツ:
- 低い姿勢をキープ: オフェンスの時と同じく、低い姿勢はディフェンスでも重要です。
いつでも動ける準備をしておきましょう。 - サイドステップを極める: 相手についていく基本は、カニさんのように横に動く「サイドステップ」です。
足をクロスさせず、すり足で動くのがポイントです。
後ろの足で蹴ると早く動けます。 - 手でなく足で守る: 相手のボールを無理に手で奪いにいくと、ファウルになりがちです。
まずは「足」で相手の正面に立ち続け、簡単に前に行かせないことを第一に考えましょう。
- 低い姿勢をキープ: オフェンスの時と同じく、低い姿勢はディフェンスでも重要です。
スキル5:コートを支配する!「キョロキョロする」習慣
優れたガードは、ボールを持っていない時でも常に情報を集めています。
- なぜ必要?: 敵と味方の位置を把握し、次に何が起こるかを予測するため。
- 上達のコツ:
- 常に首を振る: プレーが止まっている時、味方がフリースローを打っている時など、常にキョロキョロしてコート全体の状況を確認する癖をつけましょう。
- ボールがない時がチャンス: 自分がボールを持っていない時こそ、周りを見る絶好のチャンスです。
「次にボールをもらったら、あそこにパスを出そう」と、先のプレーを考えておきましょう。
- 常に首を振る: プレーが止まっている時、味方がフリースローを打っている時など、常にキョロキョロしてコート全体の状況を確認する癖をつけましょう。
スキル6:ピンチをチャンスに変える!「大丈夫」という冷静な心
ミスは誰でもします。大事なのは、その後の行動です。
- なぜ必要?: 苦しい時間帯にチームが崩れるのを防ぎ、逆転のチャンスを作るため。
- 上達のコツ:
- ミスを引きずらない: パスミスをしたら、すぐに切り替えてディフェンスに戻る!「取り返す!」という気持ちが重要です。
下を向いている暇はありません。 - 深呼吸の魔法: 試合が接戦で緊張してきたら、一度大きく深呼吸をしてみましょう。
少しだけ心が落ち着き、周りが見えるようになります。
- ミスを引きずらない: パスミスをしたら、すぐに切り替えてディフェンスに戻る!「取り返す!」という気持ちが重要です。
スキル7:チームを一つにする!「魔法の言葉」とリーダーシップ
あなたの前向きな一言が、チームの雰囲気を良くし、仲間の力を引き出します。
- なぜ必要?: チームの団結力を高め、最高のパフォーマンスを引き出すため。
- 上達のコツ:
- 魔法の言葉を使おう: 「ナイスシュート!」「ドンマイ、次取り返そう!」「ディフェンス頑張ろう!」。こんな簡単な言葉でOKです。
良いプレーは褒め、ミスは励ます。
これを意識するだけで、チームは強くなります。 - 監督・コーチと話そう: 練習中に分からないことがあったら、勇気を出して監督やコーチに質問しに行きましょう。
あなたのやる気は必ず伝わります。
- 魔法の言葉を使おう: 「ナイスシュート!」「ドンマイ、次取り返そう!」「ディフェンス頑張ろう!」。こんな簡単な言葉でOKです。
第3章:ライバルに差をつける!ガードのための自主練習メニュー
ここでは、体育館が使えない日でも、家や公園でできる練習を紹介します。
毎日コツコツ続けることが、上達への一番の近道です!
- 【毎日5分】ボールと友達になるハンドリング練習
- その場ドリブル(各30秒): 右手、左手、交互に。できるだけ強く、速く!
- V字ドリブル(左右20回): 自分の前でボールをVの字に動かす。
ボールを見ずにできたら完璧! - ボール回し(各10周): 体の周り(頭、腰、両足)でボールを回す。
ボールの感触を指先で覚えられます。
- その場ドリブル(各30秒): 右手、左手、交互に。できるだけ強く、速く!
- 【シュート率UP】フォームを固めるシュート練習
- 壁に向かってフォームシュート(30回): ゴールがなくてもOK。
壁に向かって、ボールの回転だけを意識して片手でシュートします。
キレイなバックスピンがかかっているかチェック! - イスに座ってシュート: イスに座った状態でシュートを打つと、下半身が使えないため、上半身の正しい使い方(腕の伸ばし方や手首のスナップ)を体に覚え込ませることができます。
- 壁に向かってフォームシュート(30回): ゴールがなくてもOK。
第4章:「ガードあるある」の悩みを自信に変える心の持ち方
最後に、多くのガードが抱える悩みに、具体的な解決策をお伝えします。
- 悩み①:「ミスが怖くて、強いパスやドリブルができない…」
- 答え: ミスをしない選手なんて、世界中どこにもいません。
大事なのは、練習でたくさんチャレンジして、たくさん失敗しておくことです。
練習での失敗は、試合で成功するための最高の準備運動です。
監督やコーチは、おとなしいプレーより、チャレンジした結果のミスの方がずっと評価してくれます。
- 答え: ミスをしない選手なんて、世界中どこにもいません。
- 悩み②:「体が小さいから、大きい相手に当たり負けしてしまう…」
- 答え: 体の小ささは、武器になります!大きい選手より重心が低く、スピードもあります。
パワーで勝負せず、スピードの緩急や、相手の周りをくるくる動く俊敏性で勝負しましょう。
「小ささを活かす」バスケを考えれば、プレーはもっと楽しくなります。
- 答え: 体の小ささは、武器になります!大きい選手より重心が低く、スピードもあります。
- 悩み③:「『声を出せ』と言われるけど、何を言えばいいか分からない…」
- 答え: 最初は、味方の名前を呼ぶだけでも大丈夫です。
「〇〇さん、ナイスカット!」のように、良いプレーを具体的に褒めることから始めてみましょう。
声を出しているうちに、自然と周りが見えるようになり、指示の声も出せるようになっていきます。
- 答え: 最初は、味方の名前を呼ぶだけでも大丈夫です。
まとめ:自信があなたを最高のガードにする!
ここまで、ガードの役割からスキル、練習法、心の持ち方まで、詳しく解説してきました。
たくさんの情報がありましたが、一番伝えたいことはたった一つ。
「自信を持ってプレーしよう!」ということです。
ガードは、チームの心臓です。
あなたが元気なら、チームも元気になります。
あなたが下を向けば、チームの雰囲気も暗くなってしまいます。
今日学んだことを、明日からの練習で一つでもいいので試してみてください。
そして、小さな「できた!」をたくさん積み重ねてください。
その成功体験が、あなたの自信に繋がります。
失敗を恐れず、仲間を信じ、そして何より自分を信じてコートに立ってください。
あなたのガードとしての輝かしい物語は、まだ始まったばかりです。
応援しています!
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