【中学女子バスケ】オールコートプレスを破る動き方と効果的な練習法

バスケ
ゆうくん
ゆうくん

私が中学生の頃は、上の大会の強いチームは、オールコートプレスが当たり前でした。しかもゾーンとマンツーマンの2種類ありましたから、攻略がとても大変でした。でもハーフコートのオフェンスができれば何とかなりますよ。

「相手チームがオールコートでプレスを仕掛けてきた…!」
「ボールを運べずに、すぐにパスカットされてしまう…」

中学女子バスケットボールの試合で、こんな風に悔しい思いをしたことはありませんか?

特に、フィジカルとスピードで勝るチームが仕掛けてくるオールコートのマンツーマンプレスは、多くのチームにとって大きな脅威です。

焦りからパスミスやドリブルミスを連発し、気づけば大量リードを奪われてしまう…。

そんな悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

しかし、安心してください。オールコートマンツーマンプレスは、決して破れないディフェンスではありません

むしろ、正しい知識とチームでの共通理解、そして少しの練習さえあれば、逆に相手のディフェンスを逆手にとって、簡単に得点を奪うチャンスにもなり得るのです。

この記事では、中学女子バスケの選手やコーチが、オールコートマンツーマンプレスを自信を持って攻略できるようになるための「考え方」「具体的な動き方」「練習方法」を、経験者の視点から徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、「プレスは怖いもの」から「プレスはチャンス」へと意識が変わり、次の試合で実践したくなるはずです。

スポンサーリンク

なぜ中学女子バスケでオールコートプレスは脅威なのか?

本題に入る前に、なぜこの戦術が特に中学女子バスケで効果的なのかを理解しておきましょう。

相手の狙いを知ることで、対策が立てやすくなります。

  • 精神的なプレッシャー(焦り)を誘発する: 広いコート全体で激しくプレッシャーをかけられると、「早くボールを運ばないと!」と焦ってしまいます
    この焦りが、普段ならしないような簡単なミスを引き起こすのです。

  • 体力的な消耗を狙う: オールコートでの攻防は、ハーフコートのバスケットに比べて運動量が格段に増えます
    特にボールを運ぶガードの選手は、心身ともに大きく消耗します。

  • ミスからの速攻を狙う: プレスの最大の狙いは、相手のバックコートでボールを奪い、そのままゴールに近い位置から速攻を仕掛けることです。
    これが決まれば、わずかな時間で一気に点差を広げることが可能です。

これらのプレッシャーに打ち勝つため、まずは最も重要な「3つの基本原則」から頭に入れましょう。

スポンサーリンク

オールコートマンツーマンプレスを攻略するための「3つの基本原則」

どんなに複雑な戦術も、基本原則の組み合わせで成り立っています。

プレスダウン(プレスを突破すること)においても、チーム全員が以下の3つの原則を共有することが、攻略の第一歩です。

原則1:慌てない(落ち着いて状況を把握する)

相手の思うツボは、私たちが焦ることです。スローインの時、インバウンダー(ボールを出す人)は5秒ルールを最大限使い、味方が良いポジションを取るのを待ちましょう。

ボールを受けた選手も、すぐにドリブルをつき始めるのではなく、まず顔を上げて(ルックアップ)、敵と味方の位置、そしてコートのどこにスペースがあるのかを正確に把握することが重要です。

落ち着いて周りを見れば、必ずパスコースやドリブルで進めるスペースが見つかります

原則2:スペーシング(コートを広く使い、味方のためのスペースを作る)

5人の選手が狭いエリアに固まってしまうと、ディフェンスは簡単に数的優位を作り出し、ボールを奪いやすくなります。

オフェンスの選手は、お互いの距離を適切に保ち、コートを広く使うことを意識しましょう。

特に、ボールマン以外の4人の選手が効果的なスペーシングを保つことで、ボールマンはパスの選択肢が増え、ディフェンスは守る範囲が広がり的を絞りにくくなります

原則3:パスを主体に攻める(ドリブルは最小限に)

プレスディフェンスに対して、一人でドリブル突破を試みるのは非常にリスクが高い行為です。

なぜなら、ドリブルはボールの移動スピードがパスよりも遅く、ディフェンスに囲まれてダブルチームを仕掛けられる原因になるからです。

最も速く、安全にボールを運ぶ方法はパスです。

ボールを持たない選手(オフボールマン)が積極的に動き、パスコースを作る意識をチーム全員で共有しましょう。

スポンサーリンク

【ポジション別】プレスダウンの具体的な動き方と役割

3つの基本原則を理解したら、次は各ポジションの具体的な役割と動き方を見ていきましょう。

チーム全員が自分の役割を理解し、連動して動くことが重要です。

①インバウンダー(主にセンターやパワーフォワード)

  • 役割: 落ち着いて、安全な味方にパスを供給する最初の司令塔。

  • 動き方:
    • 慌ててパスを出さない。
      5秒を有効に使い、コート全体を見渡す
    • ガードの選手が厳しくマークされている場合は、無理に狙わない
    • 場合によっては、一度センターライン付近にいるフォワードの選手にパスを出すことも選択肢に入れる。
    • パスを出した後は、一番後ろでセーフティ(最後の砦)の役割を担い、万が一ボールを奪われた際の速攻に備える。

②ボールの受け手(主にポイントガード)

  • 役割: 最初のパスを受け、プレス突破の起点となる選手。

  • 動き方:
    • VカットやLカットを使い、ディフェンスを振り切ってボールをもらうスペースを作る。
      ただ待っているだけでは良いパスはもらえません。
    • ボールに正対してミートし、確実にキャッチする。
    • ボールをもらったらすぐにピボットを踏んで体をゴールに向け(トリプルスレットの姿勢)、ルックアップして状況を判断する。
    • サイドライン際は、ディフェンスに追い込まれやすい「デッドゾーン」。
      できるだけコートの中央へボールを運ぶ

③中継役(主にフォワード)

  • 役割: ガードが苦しい時のパスの中継点となり、ボールを前進させる潤滑油。

  • 動き方:
    • ハーフライン(センターライン)付近で、ボールマンがパスを出せる角度に動く(フラッシュ)。
    • ディフェンスの背後(ブラインドサイド)を狙って動くと、パスを受けやすくなる。
    • ボールを受けたら、すぐにドリブルをせず、まずはフロントコートへパスが出せないかを探す
    • もしパスコースがなければ、近くのガードにボールを戻したり、安全な方向へドリブルしたりして、攻撃の起点を作り直す

④フロントコートで待つ選手

  • 役割: ロングパスのターゲットとなり、一気にプレスを無効化する役目。

  • 動き方:
    • ただフロントコートで待つのではなく、ディフェンスとの駆け引きを行い、パスコースを作る動きを続ける
    • 相手ディフェンスの裏のスペースへ走り込み、ロングパス(ホームランパス)を要求する。
    • パスが来なくても、フロントコートで動き続けることで、相手ディフェンスをバックコートから引き離す効果がある。
スポンサーリンク

実戦で使える!効果的なプレスダウン戦術2選

個々の役割を理解したら、チームとしてどのような形でボールを運ぶのか、共通認識を持っておきましょう。

ここでは、シンプルかつ効果的な戦術を2つ紹介します。

戦術1:トライアングル(三角形)を作る

最も基本的で安定したボールの運び方です。

  1. インバウンダーがボールを持つ。

  2. ガードがボールを受けに動く。

  3. 近くのフォワードが、ガードとインバウンダーに対して三角形を描くような位置に動く。
    これにより、ボールマンは常に2つ以上のパスコースを確保できる状況が生まれます。
    もし片方のパスコースを塞がれても、もう一方へパスを展開することで、プレッシャーを回避しやすくなります。

戦術2:センターフラッシュ

ガードへのプレッシャーが特に厳しく、なかなかボールが入らない時に有効な戦術です。

  1. インバウンダーがボールを持つ。

  2. センターの選手が、フリースローライン付近(エルボー)からボールサイドの中央付近へフラッシュ(走り込む)してパスを受ける。

  3. センターはすぐにボールをキープし、逆サイドから走り込んでくるガードへパスを展開する。
    体の大きいセンターが中央でボールを持つことで、ディフェンスはプレッシャーをかけにくくなります。
    センターは起点となり、そこからオフェンスを再展開します。
スポンサーリンク

プレスに負けないためのチーム練習ドリル

最後に、プレスに強いチームを作るための具体的な練習ドリルを紹介します。

日々の練習からプレッシャーに慣れておくことが、試合での冷静な判断につながります。

ドリル1:オールコート3対3(2対2)

  • 方法: オフェンス3人、ディフェンス3人(または2対2)でオールコートの攻防を行います。
    ディフェンスは常に激しいプレッシャーをかけることを意識します。

  • 目的: より実戦に近い状況で、プレッシャーの中での判断力、パス、ドリブルのスキルを養います。
    少ない人数で行うことで、一人ひとりの運動量と責任感が高まります

ドリル2:ドリブル禁止!パスだけでボール運び

  • 方法: 5対5の形で、オフェンスはドリブルを使わずにパスだけでフロントコートまでボールを運ぶことを目指します。

  • 目的: この練習は、オフボールマンの動きの重要性を理解するのに最適です。
    ドリブルが使えないため、選手は自然とパスコースを作る動きや、味方がパスを出しやすいタイミングで動くことを学びます

ドリル3:条件付きボール運び

  • 方法: 5対5のオールコートで、コーチが「サイドライン際でダブルチーム!」「センターラインを越えたらトラップ!」など、様々な状況を指示します。

  • 目的: 試合中に起こりうる様々なプレスの状況を疑似体験し、それに対する対応力を高めます。
    選手たちは指示された状況下で、どのように動けばプレスを回避できるかを考えながらプレーする必要があります。
スポンサーリンク

まとめ:プレスは怖くない、むしろチャンスだ!

オールコートマンツーマンプレスは、確かに強力なディフェンス戦術です。

しかし、それは相手チームにとっても、体力を消耗し、ファウルが増え、後方が手薄になるというリスクを伴う「諸刃の剣」でもあります。

今回紹介した「慌てない」「スペーシング」「パス主体」という3つの基本原則をチーム全員で徹底し、ポジションごとの役割を理解して連動すれば、プレスを突破することは決して難しくありません。

ひとたびプレスを破れば、相手のディフェンスが整う前に、フロントコートでは数的優位(アウトナンバー)が生まれています。

それは、イージーシュートに繋がる絶好のチャンスです。

日々の練習からプレッシャーに慣れ、チームとしての約束事を繰り返し確認することで、恐怖心は自信へと変わります

この記事を参考に、ぜひあなたのチームも「プレスに強いチーム」を目指してください。健闘を祈っています!

コメント

タイトルとURLをコピーしました