
ゆうくん
3年生が引退し、いよいよ2年生が主体の新チームがスタートする季節。
「自分たちの代だ!」という期待と希望に胸を膨らませる一方で、「キャプテンとしてチームをまとめられるかな…」「どんなチームになるんだろう…」「まず何から手をつければいいの?」といった不安を感じている選手や顧問の先生も多いのではないでしょうか。
新チームのスタートダッシュは、その後の1年間を大きく左右する非常に重要な時期です。
この最初の期間にチームの土台をしっかりと固めることができれば、目標達成への道を力強く進んでいくことができます。
この記事では、中学女子バスケ部の新チームが始動するにあたり、「まず絶対にやるべき5つのこと」を具体的なアクションプランと共に詳しく解説します。
この記事を読めば、新チームが向かうべき方向が明確になり、選手・指導者・保護者が一丸となって最高のスタートを切るためのロードマップを手に入れることができます。
さあ、一緒に成功への第一歩を踏み出しましょう!
まず絶対にやるべき5つのこと
1. すべてはここから!チームの土台を作る「徹底したミーティングとチームビルディング」
新チームが始動して、すぐにボールを使った練習を始めたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、その前にやるべき最も重要なことがあります。
それが「チームビルディング」です。
強いチームは、技術が高いだけでなく、選手同士の信頼関係が厚く、コミュニケーションが活発です。
コート上で苦しい時、お互いを信じて声を掛け合える関係性を築くことが、勝利への絶対条件。
その土台を作るのが、この最初の時期です。
具体的なアクションプラン①:新チームキックオフミーティングの開催
まずは選手全員、そして顧問の先生やコーチも交えて、時間をかけたミーティングを開きましょう。
ここでは、今後のチームの憲法となるような大切なことを決めていきます。
【ミーティングの主な議題】
- ① チームの理想像・プレースタイルの共有
- 「どんなチームになりたい?」を全員で話し合います。
- 例:「誰一人諦めない、粘り強いディフェンスから速攻を狙うチーム」
「全員で声を出し、常に明るく前向きな雰囲気のチーム」
「最後まで走り負けない、体力が自慢のチーム」など。
- ここで共有した理想像が、今後の練習の指針になります。
- ② チームスローガンの決定
- 理想像を短い言葉で表したスローガンを決めましょう。
全員の合言葉となり、チームの結束力を高めます。
- 例:「一心不乱」「常勝気流」「走れ!守れ!声出せ!」
- 決まったスローガンは、部室や練習場所に掲示するのがおすすめです。
- ③ キャプテン・副キャプテンの紹介と役割確認
- 新キャプテン、副キャプテンから改めて決意表明をしてもらいます。
- そして、「キャプテンは偉い人」ではなく、「チームをまとめる役割の人」であることを全員で確認します。
キャプテンだけに負担を押し付けるのではなく、2年生全員がリーダーシップを発揮し、全員でチームを支える「フォロワーシップ」の意識を持つことが大切です。
- ④ 部活のルールの再確認・見直し
- 練習時間、挨拶、準備・片付け、欠席連絡の方法など、基本的なルールを全員で再確認します。
- 「これって本当に必要?」と思うルールがあれば、この機会に話し合って見直すのも良いでしょう。
自分たちで決めたルールは、責任を持って守ろうという意識が芽生えます。
具体的なアクションプラン②:バスケ以外のコミュニケーションを増やす
コートの外での関係性も、プレーに大きく影響します。
特に新チームになったばかりの時期は、意識的にコミュニケーションの機会を増やしましょう。
- 練習前の自己紹介リレー: 「最近ハマっていること」「好きな食べ物」など、毎回テーマを変えて1人ずつ話す時間を作る。
意外な一面が見えて親近感が湧きます。
- ペアストレッチや対人練習のペアを毎回変える: 特定の選手とだけでなく、全員とコミュニケーションが取れるようにします。
- レクリエーションの実施: BBQやお楽しみ会など、バスケから離れてリラックスする時間も大切です。
保護者の協力を得て企画するのも良いでしょう。
2. チームの羅針盤!「具体的でワクワクする目標設定」
「なんとなく勝ちたい」「県大会に行けたらいいな」といった漠然とした目標では、日々の厳しい練習を乗り越えるモチベーションは維持できません。
チームが進むべき方向を明確に示す、具体的でワクワクする目標を設定しましょう。
目標設定には、有名な「SMARTの法則」を活用するのが効果的です。
- S (Specific): 具体的か?
- ×「強くなる」 → ○「市大会でベスト3に入り、地区大会に出場する」
- M (Measurable): 測定可能か?
- ×「シュートを決める」 → ○「練習試合でチームのフリースロー成功率を70%以上にする」
- A (Achievable): 達成可能か?
- 現状とかけ離れすぎた目標ではなく、少し頑張れば手が届きそうな目標を設定します。
- R (Relevant): 関連性があるか?
- チームの理想像(例:ディフェンスの強いチーム)と関連した目標(例:1試合の失点を平均50点以下に抑える)を設定します。
- T (Time-bound): 期限が明確か?
- ×「いつか」 → ○「夏休みが終わるまでに」「新人戦までに」
具体的なアクションプラン:長期・中期・短期の目標を設定する
【目標設定のステップ】
- 長期目標(最終目標)を決める
- 1年後の最後の大会でどうなっていたいか?
(例:地区大会出場)
- 中期目標を決める
- 長期目標を達成するために、途中のチェックポイントとなる目標を設定します。
(例:新人戦で市大会ベスト4、春の大会でベスト3)
- 短期目標を決める
- 中期目標を達成するために、明日から何をすべきかを具体的に設定します。
これはチーム全体だけでなく、個人目標としても設定しましょう。
- チームの短期目標例: 「今週の練習では、ボックスアウトを100%徹底する」「次の練習試合では、ターンオーバーを10本以下にする」
- 個人の短期目標例: 「1ヶ月でレイアップシュートの成功率を90%にする」「毎回の練習で誰よりも声を出す」
これらの目標は、ミーティングで話し合って決めることが重要です。
そして、決めた目標は大きな紙に書き出し、いつでも見えるように部室に掲示しましょう。
目標を常に意識することで、練習の質が劇的に向上します。
3. 急がば回れ!個々の能力を伸ばす「基礎の徹底」
新チームになると、新しい戦術やフォーメーションプレーの練習をしたくなるものです。
しかし、どんなに高度な戦術も、選手一人ひとりの確かな基礎技術がなければ成り立ちません。
3年生が抜け、プレータイムが増える2年生、そして新しく入ってくる1年生。
この時期は、チーム全員がもう一度原点に立ち返り、個々のスキルを見直して磨き上げる絶好のチャンスです。
具体的なアクションプラン:反復すべき基礎練習メニュー
毎日、練習の一定時間を基礎練習に充てることをルールにしましょう。
単調にならないよう、時間を計ったり、ペアで競争したりと工夫することが継続のコツです。
- ボールハンドリング
- 2ボールドリブル: 左右のボールコントロールを同時に養います。
前進・後進しながら行うとさらに効果的。
- コーンを使ったドリブルワーク: スピードの変化、緩急を意識したドリブル練習。
- パス
- 対面パス: チェストパス、バウンドパス、オーバーヘッドパスを正確に、速く、強く出す練習。
ただのキャッチボールではなく、「相手が取りやすい場所へ」「次のプレーにつながるパス」を意識します。
- 3人組・4人組パス: 動きながらのパス練習。パスの判断力と正確性を高めます。
- シュート
- ゴール下シュート: バックボードを使う、ステップを正確に踏むなど、フォームを意識して100本連続で入れるなど、反復練習を徹底します。
- ミートからのジャンプシュート: 正しいミートの仕方(ボールのもらい方)から、シュートフォームを崩さずに打つ練習。
- フットワーク・ディフェンス
- スタンスの確認: 腰を落とし、いつでも動けるディフェンスの基本姿勢を体に染み込ませます。
- スライドステップ: サイドライン間の往復など、粘り強いフットワークを養います。
- ボックスアウト: 「スクリーンアウト」とも言います。シュートが打たれた瞬間に、自分のマークマンをゴールから遠ざける動き。
これを全員が徹底できるかが、リバウンドを制する鍵です。
- 体力作り
- ラントレーニング: コート往復のフットワーク系ラン、長距離走など。
- 体幹トレーニング: プランク、サイドプランクなど。
当たり負けしない体、ブレないシュートフォームを作ります。
4. 全員が主役!「リーダーシップとフォロワーシップ」の醸成
新チームは2年生が主体です。
つまり、「2年生全員がリーダーである」という意識を持つことが不可欠です。
具体的なアクションプラン:役割分担と責任感の醸成
- キャプテン・副キャプテンの役割を明確化する
- キャプテンは、精神的支柱としてチームを引っ張り、顧問の先生とのパイプ役を務めます。
- 副キャプテンは、キャプテンをサポートし、チームの雰囲気作りや声出しの中心となります。
- 2年生全員に役割を与える
- 「練習メニューを考える係」「1年生の指導係」「用具管理係」「声出しリーダー」など、全員に何かしらの役割と責任を持たせます。
当事者意識が芽生え、チームへの貢献意欲が高まります。
- 1年生への指導方法を統一する
- 上から目線で教えるのではなく、「まずやって見せて、一緒にやってみる」という姿勢が大切です。
2年生が手本となることで、チーム全体のレベルアップにつながります。
- フォロワーシップの重要性を教える
- リーダーシップが「チームを引っ張る力」なら、フォロワーシップは「リーダーを支え、チームの目標達成のために自ら考えて行動する力」です。
良いチームには、必ず優れたフォロワーがいます。
自分の役割をしっかりと果たし、チームのために貢献することの価値を全員で共有しましょう。
5. 縁の下の力持ち!「顧問の先生・保護者のサポート体制」の確認
選手たちがバスケットボールに集中できる環境を作るためには、周りの大人のサポートが欠かせません。
新チーム始動のタイミングで、サポート体制についても確認・共有しておきましょう。
- 練習試合の計画: 実戦経験はチームを最も成長させます。
顧問の先生は、積極的に練習試合を組んであげてください。
- 保護者会での方針共有: チームの目標や活動方針を保護者会で共有し、理解と協力を得ることが大切です。
送迎や応援のルールなども改めて確認しましょう。
- 精神的なサポート: 新しい役割やプレッシャーに、選手たちは知らず知らずのうちにストレスを溜めていることがあります。
家庭では「今日の練習どうだった?」と声をかけ、話を聞いてあげるだけでも大きな支えになります。
まとめ:焦らず、一歩ずつ、最高のチームを作ろう!
中学女子バスケ部の新チームが始動する際に、まずやるべき5つのことをご紹介しました。
- チームビルディング: 徹底したミーティングでチームの土台を作る
- 目標設定: SMARTな目標でチームの羅針盤を持つ
- 基礎の徹底: 急がば回れで個々のスキルを磨く
- リーダーシップとフォロワーシップ: 全員が主役の意識を持つ
- サポート体制の確認: 周りの大人も一丸となる
新チームのスタートは、決めることややるべきことがたくさんあり、大変に感じるかもしれません。
しかし、この最初の時期にどれだけチームと向き合い、土台を固められたかが、1年後の結果を大きく左右します。
何よりも大切なのは、「バスケットボールを楽しむ」という気持ちです。
焦る必要はありません。
選手、指導者、保護者が一体となり、一つひとつのステップを丁寧に踏んでいけば、必ず目標に近づいていけます。
この記事を参考に、皆さんのチームが最高のスタートを切り、笑顔と成長に満ちた素晴らしい1年間を送れることを心から応援しています!
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